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チベット本シリーズ。
今度は青空くん所有文庫ではなく、ツイッターで蔵前仁一さんがお勧めしていた本を、あえて。
ほら、こういうことするから青空くん所有文庫が減らないし…。

気を取り直して。
内容ですが、ノンフィクションです。
場所はチベットの奥地、ツァンポー渓谷。
かつてあまたの冒険家たちが、
その地形の厳しさ故にどうしても踏破できない5マイル(約8km)があり、
そこに向かうまでの彼の紆余曲折と、二度に渡る挑戦を描いたものでした。

なぜそこが前人未到の渓谷なのか、という説明、
そしてそれを追い求めたかつての冒険家たちの歴史からこの本は始まります。
前半のこの辺は、地の利のない私にはかなり読みにくく、
地図と照らし合わせて何度も何度も行きつ戻りつしてました。
チベット仏教のお坊さんの事を、ラマ僧、なんて言っちゃうあたりで、
ちょっと鼻白んじゃったりして、
それでも、蔵前さんがお勧めしてるんだから間違いあるまい、と思って、
ま、チベットの問題とは切り離して読む事に決めました。

いやところがどっこい。
読み進んでしまうとこれがあなた、
号泣必至ですよ。
いやー、途中で止まったなー。
泣いちゃって。
若さ故の怖いもの知らずっぷり。
親の気持ちを思うと、
ああ~、今思い出しても目頭が…。
そして、この前提があるからこそ、
後半の彼の冒険譚が輝いてくるのです。

まあ細かい事は言っちゃなんないんだけど、
でも言っちゃうけど、
一回目で踏破に成功したものの、
二回目では踏破どころか命の危険にさらされ、
壮絶なサバイバルの末の生還劇、となっています。
もちろん一回目もすごいけど、
刮目すべきは二度目のチャレンジ。
もう、手に汗握るとはこの事。
前半と後半の私の読むスピードの違いは、同じ本とは思えないほどです。

現地のチベット人との交流シーンも、息詰まるものがありましたね。
心を通わせた話より、
したたかなチベタン(チベット人)達との小さな攻防が凄まじい。
割と鼻持ちならない事が多いんですよね、チベット人って。
今は立場上虐げられてるので、
それが彼らのたくましさとも言えるのですが、
今回は彼らの憎たらしい部分が、余すところなく伝わりました。
でも、チベタンにもいろいろいるのです。
日本人がいろいろいるように。
だいたい、角幡さんがデフォルトの日本人では断じてないですからね。
あの山奥のチベタン達が、
日本人はすべからく冒険家で金払いがいいと、思っていなければよいのですが。

しかしながら、若干、角幡さん自身の、
公安に対して→友好的
チベタンに対して→上から目線
という点は、気にならないと言えばウソになります。
これはまあ、鶏が先か、卵が先か、というところで、目をつぶりましょう。
それに便宜上、そうした方が都合がいいであろう事は理解できます。
この本の中で、チベタンの本名や詳細をえがく事は、
やはり最後までありませんでしたから。

さて。
冒険の意味とは何か。
なぜ命の危険を犯してまでその地に行かなければならないのか。
その、シンプルかつ根源的な問いに、やはり行き着かざるを得ません。

衣食住という、人間に必須なものが第一にあるのならば、
第二にはアートがあるのだと私は常々思っていました。
アートでお腹は膨れないけれど、
それは時として人の空っぽの心を満たし、
生きる希望ともなり得る。
だからアートは古代から現代に至るまで、
手を変え品を変えて、脈々とあり続けるのだ、と。

では、冒険とは?
他人に見せる訳でもない。
ーまあ、今でこそ潤沢な媒体によって、表現方法は夢のようにありますがー
ではその手段を仮に持たなかったとしたら…。
自己満足、以上のものは果たしてあるのでしょうか。

それは角幡さんも自身に問いかけています。
最後から3ページ目の、
生還を果たした角幡さんが、帰国した後、紡いだ言葉には、
甘美に漂う答えがありました(うー、書きたいけどガマンする。読んでみてください)。
冒険という悪魔に魅了され、
魂売っぱらっちゃったのかもしれませんね。

でも私個人の感想として、
『冒険』というものの意味は、読む前と変わらず不明瞭ではありますが、
彼の物書きとしての才能は素晴らしいアートであると思いました。
こうして、引きこもり主婦を、チベットの荒れ狂う渓谷へといざなうことはできた訳ですから。

あとこんだけは言っとかなきゃなんない。
彼は、ま、私より7歳下なんで、こんなこと言うのもなんですが、
この人の親でなくて、本当に良かったです。
この人を日本で見守るなんて、とてもとても、生きた心地しない。
月並みですが、すげー人だ。と思いましたよ。
いや、月並みっすよ月並み。
この人に比べたら、どんな超人も霞みますぜ。
そして…やっぱ親御さんもすごい。


空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む
(2010/11/17)
角幡 唯介

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チベット奥地を旅してみたくなった度…マイナス1000%(←高評価として)
(ト)

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青空トランプ

Author:青空トランプ
青空トランプ:夫婦ユニット。サブメンバーに、長女コロ(中1)と長男ぐわー(小5)がいます。
そんな青空トランプを、20の質問で紹介します。

【青空☆太郎】

出身地:宇宙
職業:世界を股に挟むえせサラリーマン
趣味:最近は主に東欧の大衆音楽、例えばロマ(ジプシー)系やクレズマーの辺り
特技:誰に対してもあつかましく振舞う
好きな食べ物:カレーかラーメンか迷ってるフリをしつつ本当に好きなのは握り寿司
好きな映画:ここ最近なら間違いなく『先祖になる』だね
尊敬する人:タモリ(『ブラタモリ』復活希望)
抱きたい人:宮崎あおいちゃん(せっかく離婚したんだから俺んとこに嫁に来なさい)
神:JB、ジミヘン、コルトレーン(このチョイスに迷い無し)
永住したい場所:東北か東欧か東南アジア
1ヶ月休みがあったら:東北でボランティア&観光(まだまだ行き足りない)
3億円当たったら:1億は寄付して、残ったカネで防音設備の整ったスタジオ付きの家を建てて楽器を買いまくるね
明日死ぬとしたら:慌てて般若心経を覚える
今一番興味があるのは:クレズマーとチンドンの関係性
子供以外の宝とは:あごひげともみあげ
自分を動物に例えたら:インドサイ
相方のいいところ:他人にでも感情移入できるところ
相方の悪いところ:他人にでも感情移入しがちなところ
相方を料理に例えたら:火鍋と砂鍋が半々のやつ(仕切りは陰陽風)
世界に向けてメッセージを!:打倒風評被害!


【花札(仮)すずき】

出身地:長野県長野市
職業:主婦業を全力で。
趣味:下ネタ。
特技:落ち込むこと。
好きな食べ物:友人の旦那が作るダシ巻き卵。こないだ久々にありついた♡甘さと出汁とフワフワ具合。ケーキかよ!?安定の旨さ。嫁への愛を感じたわー。
好きな映画:『クンドゥン』『JSA』
尊敬する人:もちろんダライラマ14世。すごいオジサマですよ、この人は。
抱かれたい人:吉野寿様。せめてデートできるなら、一緒にダイアログ・イン・ザ・ダークとか行って、吊り橋効果狙いたい。
神:小林賢太郎。神と書いてけんたろうと読む。
永住したい場所:シェムリアップ、ウブドゥ、チェンマイ
1ヶ月休みがあったら:タイのビーチでぐだぐだしたい。
3億円当たったら:半分寄附、半分貯金して老後に旅しまくる。
明日死ぬとしたら:家族と美味しいもの食べて過ごします(;_:)なんか泣けてきた…
今一番興味があるのは:TED。おっさんテディベアじゃなくて、プレゼンの方のね。
子供以外の宝とは:ラーメンズDVD&文庫本コレクション。
ラーメンズ好きな女はうざい?けっ知らねー。
自分を動物に例えたら:スナフキン亜種。おさびしやま~に~♪
相方のいいところ:博識。理論的。私の支離滅裂な話をよく聞いてくれるという意味で、ガマン強いところ。
相方の悪いところ:ブログ、この半年で1個くらいしかあげてませんよ。どうしました?
相方を料理に例えたら:満漢全席。うんちく多そうだ。
世界に向けてメッセージを!:最良の母親とは、まあまあの母親である。〜児童精神科医 ドナルド・ウィニコット〜

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