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PCを修理に出していたこのひと月ばかりの間、個人的にも様々な出来事があった。色々アップしたいのは山々だけど、まずはとりあえず、その筋では今話題のあれ、上野の森美術館で開催されている『聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝』展に、開会間もないシルバーウィークの最中に偵察してきたので、そのご報告から。

...っていうか、そもそも何で見に行くことになったかから始めないと。

そりゃ俺だってね、自腹切ってあの胡散臭い展覧会を見に行くことにはとてつもない抵抗がある。その反面、まずは見てみないとどうにも判断も批判もできん、とも思っていたのよ。

で、苦肉の策が、懸賞でチケットを当てるという方法。ちょうどこの夏、出張で札幌に行った時に入手したJALの機内誌でこの展覧会のチケットをプレゼントってのがあったので、ダメもとでハガキ出してみたところ、運よく当選。

当選!

おかげさまで、上野までの交通費以外の出費をすることなくこの展覧会を偵察しに行くことができたってわけ。

で、その中身だ。
まずは入ってすぐのとこにあるこのおみくじみたいなやつにドギモぬかれた。

おみくじみたいなやつ

嫁はヤマーンタカ、俺はダキーニと、それぞれ異性の守護尊を引いたんだが、そもそもこんなおみくじみたいなの、チベットにはありません。何のつもりだろう、いったい。

いよいよ本編の展示、の前に、関係者のあいさつや祝辞が書かれたボードがあった。それらのボード、具体的には、

 1) 「主催者」のあいさつ
 2) 「中華文物交流協会 中国チベット文化保護発展協会」の祝辞
 3) 「中国チベット自治区文物局」のあいさつ

...といったラインナップ。いずれも代表者等の個人名の記載は無し。 各ボードの文章には、例えばこんなことが書かれていた。

“また8世紀後半には、唐・ウイグル・アラブという強大な帝国に匹敵するほどの国力を示したこともありました。”
(「主催者」のあいさつより)

“中国は、古くから統一された多民族国家であり、その悠久の歴史を有する、広く深淵で、豊かで多彩な、一体化した中国文化も、各民族の独特な文化が集まって形成されたものなのです。”
(「中国チベット文化保護発展協会」の祝辞より)

“中国文化の養分を吸収し、また周辺民族の芸術の精華を取り込み、それらを全て受け入れて一つに融合させました。”
(「中国チベット自治区文物局」のあいさつより)

中国側の関係機関の言ってることは、まぁお決まりの内容なんだけど、主催者の“唐・ウイグル・アラブに匹敵するほどの国力”の一文はちょっと意外。

更に、吐蕃王国の時代から順を追って配置された展示品の2番目、「ガルトンツェン立像」の解説には、

“ソンツェン・ガンポの大臣で、文成公主の嫁入りを取り決めるなど中国との外交で活躍”

...と書かれていた。“中国との外交で活躍”だよ?!

以上の内容から、少なくとも唐朝の時代はチベットは中国の王朝とは別の国だった、という風に当然のことながら読んで取れるのだが、この辺り、主催者側でコンセンサスが取れているんだろうか?

展示物については、ポタラ宮やノルブリンカの他に以下の所からのものがあった。

 ・チベット博物館
 ・ロカ地区博物館
 ・ペンコルチューデ寺
 ・サキャ寺
 ・ミンドゥリン寺
 ・シャル寺
 ・タシルンポ寺

また清朝の遺物の幾つかは、河北省承徳市の文物局や世界文化遺産の避暑山荘からなんてのも。展示品の中でもチベットと中国の繋がりの強さを示すような物、例えば縁に漢字が書かれたタンカなどは、大抵「国家一級文物」指定の明記がなされていたという印象がある。

こっちとしては当然アラ探しが目的なわけだから、いったいどの時点で中国によるチベットの支配が始まったと主催者が解釈しているかが重要なポイント。で、『元・明・清との往来』というコーナーでどのような解説がなされているのかが興味津々だったんだけど、展示の説明を隅から隅までいくら読んでもその辺りが分らない。

例えば元朝の箇所の解説文でサキャ・パンディタとフビライの孫のゴダンが面会しモンゴルによるチベット支配が始まったといった説明がある一方、明朝の箇所では元朝ほど政治的に強い結びつきがチベットとの間になかったと書いてあったり、また清朝の箇所も乾隆帝が熱心なチベット仏教の信者だったくらいのことしか書いていないのよ。

気になったので、コースの途中に置かれてた図録(\2,300)の見本を見てみたところ、年表のページの20世紀の箇所に書かれてたのが以下の5つの出来事だけだったのに驚愕。

 ・河口慧海第1回チベット入国(1900?1902)
 ・英国との間でラサ条約締結(1904)
 ・清朝滅亡、中華民国成立(1911)
 ・河口慧海第2回チベット入国(1914?1915)
 ・ダライラマ14世生誕(1935)

文革大躍進どころか、チベット自治区の成立も中華人民共和国の建国も記載されていない。いや、あの、この年表だけ見ると、今の中国を治めているのが中華民国のような気がしてしまうんですけど...。

展示品そのものへのキャプションにはあまり違和感はなかったかな。アルファベットの表記も中国語を間に介したものではなくチベット語の綴りに沿ったもののようだったし。
ただ、展示の最後に10分くらいのビデオを見られるブースがあったんだけど、そのビデオの中で、本来“神の地”と訳されるべきラサ(Lhasa)のことをチベット語で“仏の地”の意味だと説明していて、結構基本的な間違いをガッツリ冒しているので驚いた。そんなの基本中の基本だべさ。

物販コーナーに関しては、噂に聞いた通りチベットとは関係のない三国志関連商品が売られてたりして、そこだけ見ると中国の観光地の土産物屋みたいな痛々しい雰囲気。一方で、『旅行人』のチベット特集『旅行人ノート』Nawang KhechogのCD、それにカワチェンの辞書や語学CDといった微妙にリベラルな商品も置かれていて、主催者や物販担当の会社(黄山美術社?)の意図を掴み兼ねるところ。

何といっても、本来信仰の対象であるべき仏像や仏画が美術品として展示されている光景には大いに違和感あり。僧侶の読経やバター灯明の匂いといった視覚以外のものと一体となって作り上げられるチベット仏教の信仰空間から遠く離れてガラスケースに収められているのだから、当然と言えば当然かもしれないけど、少なくとも展示されている仏像や仏画に対して手を合わせようって気には全くならなかった。

総じて、嘘を伝えるのではなく都合の悪いことを伝えないというのが主催者側のスタンスのよう。予備知識のない観覧者がこの展覧会を見たら、昨年3月のチベット全土蜂起のことなど忘れてしまうか、或いはごく一部の過激派が起こした騒動くらいにしか認識しなくなるのではと懸念してしまう。特にうちら夫婦が行った日の観覧者は、ウェブに縁がなさそうな年配の方々が多かったから...。

とりあえず、偵察レポートはこんなところ。気が向いたら、この展覧会の周辺の状況も含め、もう少し突っ込んだところも分析してみたい。

ま、気が向いたらね。

(青)

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青空トランプ

Author:青空トランプ
青空トランプ:夫婦ユニット。サブメンバーに、長女コロ(中1)と長男ぐわー(小5)がいます。
そんな青空トランプを、20の質問で紹介します。

【青空☆太郎】

出身地:宇宙
職業:世界を股に挟むえせサラリーマン
趣味:最近は主に東欧の大衆音楽、例えばロマ(ジプシー)系やクレズマーの辺り
特技:誰に対してもあつかましく振舞う
好きな食べ物:カレーかラーメンか迷ってるフリをしつつ本当に好きなのは握り寿司
好きな映画:ここ最近なら間違いなく『先祖になる』だね
尊敬する人:タモリ(『ブラタモリ』復活希望)
抱きたい人:宮崎あおいちゃん(せっかく離婚したんだから俺んとこに嫁に来なさい)
神:JB、ジミヘン、コルトレーン(このチョイスに迷い無し)
永住したい場所:東北か東欧か東南アジア
1ヶ月休みがあったら:東北でボランティア&観光(まだまだ行き足りない)
3億円当たったら:1億は寄付して、残ったカネで防音設備の整ったスタジオ付きの家を建てて楽器を買いまくるね
明日死ぬとしたら:慌てて般若心経を覚える
今一番興味があるのは:クレズマーとチンドンの関係性
子供以外の宝とは:あごひげともみあげ
自分を動物に例えたら:インドサイ
相方のいいところ:他人にでも感情移入できるところ
相方の悪いところ:他人にでも感情移入しがちなところ
相方を料理に例えたら:火鍋と砂鍋が半々のやつ(仕切りは陰陽風)
世界に向けてメッセージを!:打倒風評被害!


【花札(仮)すずき】

出身地:長野県長野市
職業:主婦業を全力で。
趣味:下ネタ。
特技:落ち込むこと。
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好きな映画:『クンドゥン』『JSA』
尊敬する人:もちろんダライラマ14世。すごいオジサマですよ、この人は。
抱かれたい人:吉野寿様。せめてデートできるなら、一緒にダイアログ・イン・ザ・ダークとか行って、吊り橋効果狙いたい。
神:小林賢太郎。神と書いてけんたろうと読む。
永住したい場所:シェムリアップ、ウブドゥ、チェンマイ
1ヶ月休みがあったら:タイのビーチでぐだぐだしたい。
3億円当たったら:半分寄附、半分貯金して老後に旅しまくる。
明日死ぬとしたら:家族と美味しいもの食べて過ごします(;_:)なんか泣けてきた…
今一番興味があるのは:TED。おっさんテディベアじゃなくて、プレゼンの方のね。
子供以外の宝とは:ラーメンズDVD&文庫本コレクション。
ラーメンズ好きな女はうざい?けっ知らねー。
自分を動物に例えたら:スナフキン亜種。おさびしやま~に~♪
相方のいいところ:博識。理論的。私の支離滅裂な話をよく聞いてくれるという意味で、ガマン強いところ。
相方の悪いところ:ブログ、この半年で1個くらいしかあげてませんよ。どうしました?
相方を料理に例えたら:満漢全席。うんちく多そうだ。
世界に向けてメッセージを!:最良の母親とは、まあまあの母親である。〜児童精神科医 ドナルド・ウィニコット〜

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